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ストレス社会を反映して心の病が増えているが、パニック障害もその一つ。呼吸困難やどうきなど身体症状が前面に出るので、内科を受診して異常なしと診断されるケースがある。このため、病院を次々と回る“ドクターショッピング”に陥りやすい。

太田医師は「急性期は休養を取り、発作を誘発する刺激を避けるのが第一です。症状が薬でコントロールできるようになると、少しずつ刺激に慣れていく行動療法、痩身一号収腹提臀型あるいは楽しい目的を設定し、発作が起きても楽しい経験を積み重ねる森田療法が一般的です」と話す。 いずれにせよ、これらの療法を根気よく続けることが治療の近道になる。

休養を取って 身体症状が前面に出るため、ほとんどの人は内科や救急外来を受診するが、それでは悪循環を助長するだけだ。「心臓病などの検査で異常なしと診断されて、ドクターショッピングを繰り返す人が少なくありません。まずこういう病気があることを理解し、パニック発作が起こったときには、最寄りの心療内科もしくは精神科を受診すべきです」 治療は、薬物療法と生活指導が基本。薬物療法では、抗うつ薬の一種である塩酸パロキセチンと抗不安薬が有効だ。生活指導は、症状が重い急性期とそれ以降とで異なる。

胸痛や吐き気も 
聖路加国際病院心療内科の太田大介医師によると、脂肪燃焼(1)どうき(2)発汗(3)身震い(4)息切れ感(5)窒息感(6)胸痛(7)吐き気(8)目まい感-などが、突然、四つ以上起こる症状をパニック発作と言い、発作を繰り返す場合をパニック障害と言う。 パニック発作?障害は20~30歳代の人に多く、典型例がAさんのケースだ。「原因はよく分かっていませんが、脳内の乳酸の影響や心理的なショック体験などが引き金になって起こると考えられています。

一度起こると、自分で同じ状況を想定し、また起こるのではないかという固定観念が生じ、それがまた発作につながるという悪循環に陥ってしまうのです」と太田医師。急速減肥Aさんは最近、大きな仕事を任され、信頼に応えようと仕事に励んでいた。徹夜や出張が続いていたある日、出勤途上の電車内で突然、どうきを覚えた。やがて胸痛を伴い、手指のしびれ、呼吸困難が加わり、目まいがして立っていられなくなったため、途中下車した。死んでしまうのではないかと不安を感じ、救急車を呼んだ。
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